普光寺の山林
四方を山に囲まれ、古来より護り続けられてきた照葉樹林群の中に普光寺はあります。
本堂裏山には自然林のコジイが群生するコジイ林が広がり、参道にはスギ・ケヤキ(県母樹指定)の大木、シャガの群生が四季折々の美しさを際立たせてくれます。開山以来山林の開発としての大規模伐採などを行うことがなかったため、安住の地として数多くの動植物が生息しています。
中でも、きれいな水でしか生息が難しいといわれる天然記念物の「モリアオガエル」と「ヒメハルゼミ」です。
ヒメハルゼミの鳴く時期は、ちょうどアジサイの開花時と重なり、訪れる人をおおいに楽しませてくれます。合唱するのが好きなので、一匹が鳴きだすと、数百・数千匹が鳴きます。まるで寺全体が震えるように大きく鳴き響きます。
夏の訪れを知らせてくれる睡蓮。
日の出とともに開花し、別名羊草といわれ、羊の刻午後2時には閉じてしまう花です。蓮と同様に泥の中に根を張りきれいな花を咲かせてくれます。
とても水をよくはじく大きな葉を池の中から伸ばし、まるで天を支える台のようです。
阿彌陀堂横の池に植えられた蓮は、全部で5種類あり、それぞれ違った美しさを持っています。
古来より蓮は煩悩の泥の中より美しい花を咲かせるとされることから、真の悟りを表し、仏教では重んじられています。
海岸付近から2,000mの高地に分布しますが、一般的には山地の森林に住んでいます。繁殖時期は、4月から7月で、水面上にせり出した木の枝などに粘液を泡立てて作るクリーム色で泡状の卵塊をうみつける事で有名です。
木の上に卵を産むことで非常に有名で、天然記念物に指定されています。
成虫の体長は、オス24〜28mm、メス21〜25mm、翅端まで35mmほどです。前翅の翅脈上に2つの斑点があります。
オスの腹部には小さな突起が左右に突き出ており、頭部の幅が広いが体は細長い。メスは腹部が短く、腹部の先端に細い産卵管が突出する。
基亜種ヒメハルゼミは西日本の固有種で、新潟県・茨城県以西の本州・四国・九州・屋久島・奄美大島・徳之島に分布します。